以外とあっさりと引き下がった壁に安心して、教科書をパラパラとめくった。 ほんと、何気なく。 何かを予感してとかじゃなく。 「───……っ」 慌てて口に手を当てて声が漏れないようにする。 そして、とにかく教科書を机のなかにしまった。 隣を見れば、壁はふて腐れて机に寝ていて見ていないようだった。 ……良かった。 いや、全く良くないんだけど。 どうしよう、借りにいかなきゃ。数学の先生、凄く厳しくて忘れ物なんてしたら…。