有り得ない。 好きだなんて、有り得ない。 忘れられないのは憎いから。 恨んでも恨みきれないほどに憎いから。 きっと、そう。 「ごめんね、最近芽依のまわりがおかしいと思って朝芽依より先に来て色々調べたの。そしたら机のなかに……」 そっと千春が差し出した一枚の紙切れ。 それを見た瞬間、息をのんだ。 ──少しずつ、少しずつ。何かが壊れていく気がした。