「授業、始まるよ…?」





さっきの告白から数分後。

持田はいつまでたっても私を離さない。



そのせいか、何だか冷静になってきた。


……季節は夏。

場所、屋上。

何分も抱き合ってるのは、想像以上に暑い。


何とか腕の中から脱出しようと思って口にした言葉。


少しトーンを落として言ったためか、持田はゆっくりと私から離れた。

……明らかに不機嫌そうだけど。



だからそんな持田に何も言わずに背を向けて、歩き始める。

ちょっとした意地悪。