風が吹く。 持田の髪が揺れて、瞳が見開かれる。 人生初の告白に、少しだけ声が震えた。 好きって口にするの…こんなに緊張したっけな。 心臓がドキドキなんて可愛いものじゃなくてバクバクと音をたてる。 持田は何も言わない。 数回まばたきをして、私を見つめる。 「だから、私──」 「わわわ、分かった!頼むからちょっと黙れ!!」 伝えたものも何も言わない持田に不安になって口を開けば、全力で遮られた。