寂しさを紛らわしたくて適当な女と町に繰り出して。
だけど芽依が気になって仕方がなくて、あの日、俺は
いて欲しい気持ちといないで欲しいと願う二つの矛盾した想いを抱えて駅へ行ったんだ。
「大切な人を故意に傷付けるって難しいんだね。雪の中、俺を待ち続けてた芽依にどうしたら良いかが分からなくなったよ」
「……分からなくなったって言う割りに、あの日の空は人間の心を持ち合わせてるとは思えなかった」
傷付けるなら、俺が。
なんて思ってたくせに度合いが分からなかった。
何を言えば良いのかが…そして口から出たのは思い出したくもない酷い言葉たち。
それは、彼女をトラウマにさせるほどに。
心を閉ざし、男を嫌わせるほどに。
「ごめんね……、芽依」