「……嫌い、大嫌い」
こんな自分が嫌い。
何にも気付けなかった自分が嫌い。
「……なに、その目は。哀れんでるの?」
大好きだった綺麗な瞳が今は汚く見える。
私は何を見てきたんだろう。
私は彼の何を知ってたんだろう。
「──最低!地獄に落ちろ!」
完全に良い逃げ。
空の顔すら見ずにそう言うと私は走り去った。
逃げた、空から。
哀れな自分から。
舞い散る雪。
この雪のようにいっそのこと溶けて無くなってしまいたかった。
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