「愛がなくたってキスくらい出来るって知ってた?」





──あなたは、空じゃない。

私の知ってる、私の好きな、空じゃない。



ここまで来ると涙すらでない。

代わりに口からでるのは渇いた笑い声。




泣かなくたってじゅうぶん惨めだ、愚かだ。

バカだ、どうしようもなく。


救いようのないやつだ。





悩んだのも悲しんだのも、全部全部無駄だったんだから。

あなたは初めから私のものなんかじゃなかった──。