あの頃と変わらない、でもどこか躊躇うように呼ばれた俺の名前。 視線をそちらに移せば 「……芽依」 あの頃に比べて少し大人びて、綺麗になった彼女が立っていた。 海で会ったけど、あの時は戸惑ってそれどころじゃなかった。 綺麗な髪、白い肌。 勝ち気だった瞳は頼りなさげに揺れていて、あの頃を思い出させる。 俺が君を深く傷付けた、あの頃を。