いわゆる、ストーカーというやつだ。

といっても堂々としているから皆が想像するストーカーよりかは良いのかもしれない。


だけど堂々としてるぶん、たちが悪い。


その存在を大胆にアピールしながら私の人生に立ちはだかり邪魔をする。


そんな厄介な奴を私は人間と認識せず、密かに“壁”と呼んでいる。





あぁ、噂をすれば……。

奴は、今日だって廊下で私を待ち構えていた。



さぁ、今日も戦の始まりだ。

なんて大袈裟な覚悟をして私は、壁の前で立ち止まった。