「……で、これが良い案なわけ?」
隣には、持田。
視線の先には……空に群がる集団に果敢に割り込んでいく……千春。
千春が空をあの場所から待ち合わせ場所まで強制的に連れていく、作戦はこれだった。
別にあそこまで得意気になるほどのレベルじゃないと思うけど…。
「なー、ずっと気になってたんだけどさ」
「……ん?」
持田に視線を向ければ、彼の視線は正門へと向けられていたため、私も視線をそちらに戻す。
「近野って高校入ってからすげー可愛い喋り方してたじゃん?今日はそーでもないけど。……中学ん時は刺があったっていうか…」