そう聞いた瞬間、記憶のなかでサラリと揺れた色素の薄い髪。 ── "綺麗で穏やかで優しくて。空って天使みたいだよね" その言葉で浮かぶのはいつだって、ただ一人。空だけ。 「え、でも待ち合わせは…ここじゃないよ?」 待ち合わせは中学の頃、よく放課後二人で夜遅くまで話した公園。 「芽依に早く会いたくて、来ちゃったんじゃないかな?」 早く…会いたくて?……私に? 「……なら芽依ちゃん、あそこ通って大丈夫なわけ?」