芽依、その声に越えられない壁を感じた。



俺のほうが想ってる自信があるのに、簡単に彼女を呼び捨てにするなんて、ズルい。

どうやったって俺には分からない、二人だけが共有していた時間。


俺の知らない芽依ちゃんをこいつは沢山知ってるのかと思うと、やりきれなかった。



そして、何よりも。




傷付けたのは、彼女が男を嫌いだしたのは、この男のせいだと思ってたのに

彼女は元カレに触れられても平気だった。



離してと呟いた声は他の男へのものとは違って

込み上げる感情を押さえつけるような泣きそうな声だった。