最初は相手にもしてくれなくて、俺を瞳に写すことさえしてくれなかった芽依ちゃんが

今は隣で俺のせいで、俺のために、不安げに瞳を揺らしてる。




欲しかったのに、怖い。

どうしようもなく、怖いんだ。



いつか大切な君を傷付けてしまいそうで。

既に俺には分からない傷を抱える彼女を、壊してしまうんじゃないかって。




俺はきっとあの頃のままだから。

いつかきっと、莉子(りこ)のように彼女さえも壊してしまうんだ──。