「髪も黒く染めて、芽依ちゃんに会う前の自分に戻ろうとした。なのに頭から全然離れてくれなくて、ムシャクシャして…何かに当たらねーと、おかしくなりそうだった」


「…それって」





この傷は…私のせい?

綺麗な顔に残る生々しい傷は、全部、私のせいなの?





「バカみてーだろ。欲しいものが手に入らねーからって駄々こねて」





そう言って笑う持田は、もう泣きそうで。

彼が笑おうとすればするほど、心がえぐられる。





「でも、ソレで良いんだ。俺には何も守れねーんだから」





そう言った瞬間、彼を纏う闇が濃くなった。