苦しそうな持田の声。

自惚れる、なんて言うくせに自信なんてこれっぽちもなさそうなほど、小さくて頼りない。






「…好きになってよ…芽依ちゃん」


「……嫌」


「じゃあ、嘘でいいから、好きだって言ってよ」





いつもの持田なんて、いなくて。


どうして彼がこんなにも私にこだわるのかが分からなくて。


出逢ったのがいつか思い出せば、それは分かるのかな?

でも、そんな印象的だったなら、やっぱり私が忘れてるわけがない。







「無理だよ、そんなこと」