言った瞬間に、自分でも何を言ってるんだろうって思った。 口にした言葉を、理解できず、いや、意味は分かってるんだけど。 自分がそんなこと思っていたのかなんて、ただ驚いていた。 「えっと…今のは、」 取り繕うにも自分で自分が分からないから、どうすることも出来なくて。 気づいた頃には、遠ざかろうとしていたはずの持田は目の前にいて、 「俺には、芽依ちゃんが分かんないよ…っ」 そう呟くのと同時に私の腕を引いて、抱き締めた。