どれほど走ったんだろう。 海は続いていてるのに、私がいる道から見える砂浜には人がほとんど見当たらない。 「荷物、置いてきちゃったし…」 あー、バカ。ほんとにバカだ私。 空と持田を振り払って、千春まで置いてきて。 どうせ戻んなきゃいけないけど、まだ戻りたくない。 ここで少し、時間潰そうかな。 そう思って私は人気の少ない砂浜に足を踏み入れた。