「いや、ほんとはね。ブラブラしてたら近野見つけて。だからもしかしたら、芽依ちゃんいるかもって探したら、見つけたってわけ」
「……ふーん」
「あれ、芽依ちゃん。全く信じてない的な?」
うん、信じてない的な。
だって、信じれるわけないでしょ!
あんたがどこに住んでるか知らないし知りたくもないけど、たまたまブラブラしてて私と千春の最寄り駅で出逢う!?
夏休みに、偶然だよ。
「あんたさ、私の家知らないよね?」
……まさか、ね。さすがにそれは無いよね。だって毎日付きまとう持田を振り切りながら帰ってたんだから。
「……し、知ってるわけないじゃん」
泳ぐ視線に、明らかに動揺を隠せてない口調。
……柳瀬 芽依。引っ越したいと思います。