「千春ーっ」




名前を呼びながら歩く。

…あ。電話してみれば良いんだ。


何でそんな簡単なことが思い付かなかったかなー。なんて思いながらスマホを取り出そうとしたら…





「こっちだよ、迷子の子猫ちゃん」






右腕を掴まれて、耳元で甘ったるい声が聞こえた。



その腕に、声に

一瞬で誰か判断がついた私は、




「……えいっ!」




その腕を思いきり捻りあげた。