真剣に心配してくれる彼に答えようと思って、起き上がる。 「……っ」 でも階段から落ちたときに頭を打ったんだろう。 それだけの動きでこめかみ付近がズキンと痛む。 「寝てなよ!起きちゃダメだってば、芽依ちゃん!」 「はは、大丈夫大丈夫」 そう言う壁に下手くそな笑顔を返す。 「あのね──」 「芽依!」 「柳瀬さん!!」