「へー、朝サイズを見たからぴったりだったんだね。誰が?」
「……知らない」
この場に及んでも、知らないで突き通そうっていうんだ。
目を合わせたら、動揺してることがバレる。そう思っているのか、さっきから目を合わせようとしない。
だけど、そのさ迷う視線が返って不自然だということに気付いてないのだろうか。
「ありがとね、持田。この間の教科書も、今日の上靴も」
私は確実に、救われた。
壁に助けられたって事実は尺だけど、
きっと教科書も、上靴もなければ。
私は、こんなに強気でいられなかったから。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…