「だから、言いたいことがあるのに言えなかったから…さっき姿を見つけて追いかけて来たの」 「……言いたいこと?」 「今朝、上靴買って、私の机の上に置いてくれたでしょ?」 そう言うと、赤い髪の奥にある瞳が微かに色を変えたのが、下から見ていても分かった。 「俺じゃないよ」 ただ、なぜか彼は否定する。 理由は分からないけど。