「俺のことバカにしてるの?」 「違う…っ!」 淡々と話す壁の顔からは、彼を支配する感情が何なのかが分からない。 この前の生徒指導室の時と、一緒。 冷めた視線に、冷たい言葉に ただ否定するしかなかった。 違う。こんなことをしたくて追いかけたわけじゃないのに。 伝えたいことが、あるからなのに。 「午前中、ずっと教室にいなかったでしょ?」 「…それが?」