「きっと持田より、たちが悪い」
「いや、それはない。はい、売店行くよ」
千春の腕を無理矢理掴んで、立ち上がらせる。
「いやー、死にたくないよー!」……って煩い。
殺さないっつーの。
「千春が殺されちゃうなら、西条とかどうなるのよー」
笑いながら、西条さんたちがいる方へと叫ぶ千春。
いやいや、千春の方が怖いから。
敵無しの千春さん、ほんとに尊敬するよ。
憧れはしないけどね。
チラリと目を向ければ、視線は重なってすぐに逸らされた。
大丈夫。たとえ嫌がらせの犯人でも殺しはしないから。……うん、きっと。