「……戻れば良いんでしょ!」 分からない、自分も壁も。 何がしたいのか、 何を思ってるのか。 立ち上がって、床に置いていた教科書の入った袋を持って生徒指導室を飛び出す。 結局、市原くんとのことは分からなかった。 それどころか、ありがとうすら言えなかった。 結局私は、何をしに行ったんだろう。 ただ、傷付けて、傷付いて。 壁の冷たい顔が、頭から離れなかった。