「嫌いになる?俺のこと」 「嫌いになるって、私は──」 「あぁ、俺のことなんて嫌いだったね。ごめん」 「……っ」 何も言えなくなる。 そんな目で見られたら、そんな辛そうな声で、そんなこと言われたら どうしていいか分からなくなる。 いつもと違いすぎて調子が狂う。 「男なんて嫌いだって、俺なんて嫌いだって言うくせに。俺を心配してるみたいな素振り、取らないでよ」 「私は……っ」 「その優しさは、残酷だよ」