私の名前が聞こえた瞬間、壁の掴む力が緩む。 「芽依ちゃん……」 明らかに困った顔をして、私に目を向けた。 ……どうして二人とも。 そんな目で私を見るの? そんな切ない声で私を呼ぶの? 動くことも声を発することも出来ない。 すると、先に視線をそらしたのは、二人の方だった。