ガチャ、とドアが開く音がして振り返る。 「な、んで…」 「芽依ちゃーん、かーえろ!」 そこに立っていたのは、肩に二つの鞄をかけた、壁で。 ついさっきのことなんて無かったような笑みを浮かべてる。 傷付けたじゃん。 傷付いてたじゃん。 耐えられなくなって、屋上を出ていったじゃん。 私なんて嫌になったでしょ? 「芽依ちゃんがサボってた分のノート、取っておいたから」 何で、優しいの?