ポンポンッ 優しく ふわりと 彼が私の頭を撫でる。 ただそれだけで 私の心は落ち着いてくる。 「ねぇ、聞いて」 「ん?どうした?」 「今日ね、引っ越し業者のお兄さんがね、私のマグカップ割ったの」 こんなにもスラスラと 心の中を吐き出させてくれる。 彼がただ触れただけで。 だから私はいつも思う。