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抱き締められて

心地良い体温の中で

「…ありがとう。京太朗さん。
こんなに幸せな時間をくれて。
感謝してもしきれないよ。」

と、自然と溢れた感謝の言葉に

京太朗さんは腕を緩めて

私の顔を覗き込むと

「…何言ってるんだよ。
まだ…俺達はこれからだ。
俺はまだまだこれからもっと
光華を幸せにしたいけどな?」

そう言いながら、私の瞼と額に

軽くキスを落とした京太朗さんは

「…光華がそばにいてくれるから
前よりももっと安心して
今の仕事をしていられる。
…公私混同してしまったり
忙しくて、思うように
かまってやれない時は
悪いと思ってるけど
ちゃんと、光華を想ってる。
ようやく、堂々と胸を張って
街を歩けるようになったんだから。
もっとこれからを楽しみたいよ。」

と、京太朗さんは

私の髪に優しく触れて

溢れる私の涙を拭うと

「…まだ、19歳なのに
俺の戸籍に入れて
俺だけのモノにしてしまった。
17歳の時のお前を
俺は翻弄させて
運命を変えさせて
縛り付けてしまったから
俺は正直…教師失格だ。
…だけど、俺は幸せだ。
後悔していない。
絶対にずっと守ってやるから
俺について行って良かったって
思えるくらい幸せにするから。
…だから、ずっとついて来い。
離れるなよ…いいな?」

そう言って

そっと私の唇を塞ぎ

蕩けるように甘く優しいキスをくれた。