「メグの仕事が忙しくなったから、高校に入ってからはパンになったんだ」

そこまで言うと、俺はご飯を口に入れた。

モゴモゴと口を動かしている俺に、
「わたしでよかったら…だけど」

針井が言った。

「んー?」

そう聞いた俺に、
「…やっぱり、いいや」

針井はハンバーグをかじった。

俺はご飯を飲み込むと、
「続きすっごい気になるんだけど」

「いいの、そんなたいしたことじゃないから」

針井は首を横に振った。

「いや、たいしたことあるかも知れないじゃん」

「本当にたいしたことないから」

首を横に振って言おうとしない針井に、
「じゃあ、言いたくなったら言ってくれ」

俺はそれだけ言うと、ご飯を口に入れた。