去年の選択の授業は美術と体育だった。

俺は得意の体育、太は美術を選択していた。

「有名なの?」

俺は聞いた。

「かなりね。

いい意味でも、悪い意味でも」

そう返した太に俺は首を傾げた。

「あの通り、どこか異端な感じがするだろ?

顔立ちだって、まるでアンドロイドだし」

「あ、アンドロイド?」

「近未来を舞台にした映画とかに出てきそうじゃない?」

俺はチラリと、彼女――針井に気づかれないように視線を向けた。

言われて見ると、確かにそれっぽい…。