「えっ、ウソ」

俺は驚きのあまり、声が出た。

教室に、彼女――先ほど掲示板の前で俺と肩がぶつかった女子が、ここにいたのだ。

えっ…?

マジかよ…。

まさかの同じクラス…?

クラスメイトの視線が彼女に集中する。

俺は彼らの視線が、何故彼女に集中しているのかよくわからなかった。

そりゃ…確かに美人だとは思うけど。

躰つきだって、制服のうえからでもよくわかるくらいスレンダーだと思うし…って、俺はどこを見ているんだ。

彼女はそんな俺を含める視線を気にしていない――と言うよりも、無視をしていた。

当たり前のように自分の席に腰を下ろすと、カバンから布製のカバーつきの本を出すと、それを読み始めた。