招待する人、ましてや友達なんて…そんなもの、いる訳ないじゃないか。

家でも学校でも、1人だった。

僕のそばにいてくれた恵以外、1人だった。

傷つくことが嫌いで、傷つけられることが嫌いな臆病者の僕に、友達なんている訳ないじゃないか。

一瞬そう言ってしまおうかと思ったけど、やめた。

こんなことを言って彼らに譲歩をしてもらおうなんて、考えが浅はかにも程がある。

悔しさと悲しさを胸の中に封じ込みながらもう1度カプチーノに口をつけようとした時、ある人物の顔が浮かんだ。

――芹沢さんだった。

そうだ、彼女をパーティーに招待すればいいんだ。

…あれ?

何で芹沢さんなんだ?

どうして僕は、芹沢さんを招待したいって思ったんだ?