僕も七緒みたいに無邪気な性格だったら、生きている人生が違ってたんだろうな。

「ああ、でも今年はマーサとメグの婚約発表もあるんだったな」

思い出したと言うように言った七緒に、
「あー…すっかり忘れてたわ」

真麻がやれやれと言うように息を吐いた。

「フーゴの家族も、今年も招待されてるんだろ?」

七緒が僕の方に視線を向けると、話を振ってきた。

「――えっ…ああ、まあ」

僕は曖昧にうなずくと、カプチーノに口をつけた。

そう言えば、そうだったな。

葉月家も、椙山家開催のクリスマスパーティーに毎年招待されているんだっけな。

理由は簡単、幼なじみだからだ。

僕と恵が幼なじみのように、僕らの母親も幼なじみなのだ。