僕の頬を涙が伝う。

「フーゴ、何があったんだ!?

おい、どうしたんだ!?」

地面に倒れそうになる僕を支えながら恵が問いかける。

…やっぱり、これがフツーなんだよね。

何かあったら恵みたいに問いかけるのが、当たり前なんだよね。

なのに…何で僕は萌さんにそんなことができないのだろう?

「フーゴ、しっかりしろ!

今、部屋に運んでやるから!」

恵は僕の腕を自分の肩にかけると、僕を支えながら歩き出した。

もういい年齢をした大人なのに…。

今年の9月で、33歳になるのに…。

僕は幼なじみの恵に助けられて、守られてばかりだ。