「おう、おかえり」

家に帰ると、パジャマ姿の恵が迎えてくれた。

風呂あがりなのか、バスタオルで髪を拭いていた。

「ずいぶん早かったな。

デートだったんだろ?」

時計に視線を向けると、8時を少し回ったところだった。

「まあ、女の子だし、あんまり遅いと親御さんも心配するだろうからな…って、フーゴ!?」

恵の顔を見たとたん、ガクンと脚が崩れ落ちた。

「おい、フーゴ!

大丈夫か!?

おい!」

恵が慌てて僕に駆け寄る。