「それは…どうして?」

「…実はまだ、就職先が決まってないんです。

もちろん、研究をしながら就活はやります。

だから卒業はまだ…その…」

私は、何が言いたいの?

何がしたくて、何が言いたいの?

…もう、訳がわからない。

そもそも私が大学院の道に進んだのは、ただ単に就職先がなかったからだった。

そして、世間からへの逃亡だった。

それなりに就活をしてもどこの会社からも内定はもらえない。

今の今まで1人で、友達もいなかったから社会へ出ても1人になるだけ。

大学院に進んだのは、そんな理由からだった。