――寂しいの、かな?

先生と離れてしまうことが。

先生の元から、卒業してしまうことが。

寂しいから、胸がチクチクと痛んでいるのかな?

「自分の気持ちに、正直になることですよ」

エリーさんが言った。

「えっ?」

エリーさんはニコッと笑うと、
「素直にならなければ、女神様は微笑んでくれませんよ?」
と、言った。

チーンと、電子レンジが音を立てて止まった。


「――女神様は微笑んでくれない…か」

エリーさんのセリフをマネして、自嘲気味に笑った。

私の今までの人生に、女神様がいただろうか?