「それって、まさか……」
「琥珀の耳飾りと同じ石だ。もちろん、満月に透かせば、中に桜が現れる」
「……」
返す言葉に迷っていると、桜美夜行は私を呆れた目で見ながらため息をついた。
「まだ信じられないか?じゃあ、証拠を見せよう」
……証拠?
首を傾げながら見つめると、彼女はニヤッと口角を上げた。
「琥珀が十歳の時にした、初恋の相手の名前は、け……」
「わーーーーーー!!?」
私は、桜美夜行が言おうとしたことを、赤面しながらも、大声で必死に遮った。
「ちょっと!! 何言おうとしちゃってんの!?」
「いや、信じていないようだったから、証拠を…」
「信じてるから!! そういうのやめてっ!!?」
ツッコミを入れると、桜美夜行は「そうか」と言いながら真剣な顔に戻った。