そう思っていると
反応のない私を心配したのか

「本当に大丈夫ですか?」


と心配そうな顔で聞いてきた




「あっ...大丈夫です」


そう言って私は立ち上がった



するといきなり立ったからか立ちくらみがして
体がよろけてしまった













「おっと...」


そう言って
藤堂さんは私を受け止めてくれた


「すみませんっ」


といって私が離れようとすると
藤堂さんはいきなり私を姫だきにして
車まで運んでくれた



すごく恥ずかしくて
きっと私は真っ赤だったとおもう















私を車にのせてから
私の荷物を取ってきてくれた藤堂さんは
車にエンジンをかけた



「けっこう家まで時間がかかるから
しんどかったら寝てていいよ」


といって車を発進された



寝るつもりはなかったのに
車の心地よい揺れと
熱でボーッとする頭のせいで
いつの間にか私は眠ってしまっていた













今日、俺には妻ができる



俺の婚約者の妹らしい


相手の母親が

「病弱ですごく手がかかる子でごめんなさいね」

と謝ってきた


病弱だと手がかかるのか?



医者の俺は、
別に体が弱いだけで
手がかかるとは思わない



俺の妻になる人は
両親から愛情をもらってないのだと
すぐにわかった













でも、俺の婚約者であった姉の方は
すごく愛されていたイメージがある


初めてあったとき、
活発で
ちょっとわがままだったことを覚えている



俺は、テンションが高い女は
あまり得意ではない



だからなのか
婚約者の妹がどんな人なのか
会うのがすごく楽しみなんだ












顔合わせ(?)のとき
始めてみた自分の妻になるひとは
驚くくらいきれいな人だった



両脇を両親に囲まれてれていた彼女は
とても緊張しているように見えた


まるで、
私を怒らないでください
とでも言うかのように...




彼女は
両親に愛されたいのに
愛してもらえないのだと確信した





俺が彼女を本気で愛してやる
もういいと言われても愛し続けてやる


俺はその時自分にそう誓った










彼女と俺の両親が出ていった


それからしばらく沈黙が続いたが
その沈黙を破ったのは彼女の咳だった


よく見ると顔が赤い


_熱あるな..._



俺は彼女を家に連れて帰ろうと思い
立つように言うと


立ったのはいいがよろけて俺の方へ倒れてきた













これは歩けないなと思い
彼女を抱き上げ車へと向かった



そして、
彼女を助手席にのせシートを倒した



彼女の荷物と親への報告をかねて
家へと向かった




「すみません
彼女熱があるので自宅に帰ります」


俺が彼女の両親に伝えると



「あらほんと?
あの子ほんとに役に立たなくて、
迷惑ばかりでごめんなさいね」


そう冷たく返してきた



役に立たない?
迷惑ばかり?



自分達の娘だろ?


俺は心底あきれたが、にこやかに

「俺は医者なので、迷惑なんて思いませんよ
では、失礼します」

と言って車へと向かった













俺が車につくと彼女は
苦しそうに浅い呼吸を繰り返していた


俺が車を閉じたと共に目を冷ました彼女に
寝ててもいいと伝えると
はじめは寝ていなかったが
途中くらいからは小さな寝息が聞こえてきた


顔をよく見ると本当に可愛い

マジで惚れたかもしれない...

_やべぇな..._






これからの結婚生活が
すごく楽しみだ