―千春side―



5時間目の授業の最中。






俺は、りいこという女を抱いていた。








何も感じないのは、慣れているからか。




それとも――






『誰かに弁当作るとか初めてで、緊張したんだよ!』









・・・・・・・・やっぱ重症だ。




他の女抱いてるっつーのに、頭の中は石原で埋まってやがる。








「千春~?ねぇ、なんでそんな上の空なのぉ?」



りいこが不機嫌そうに唇を尖らせた。





「昨日、なんか抱いてくれないしぃー。

だから今日抱いてって言ったのに、上の空だなんて、酷くない?」






「抱いてって言った?

脅したの間違いじゃねぇのかよ。」


俺は吐き捨てるように言った。




りいこはそんな俺の口調にも、笑った。



「そういう千春の言い方も、嫌いじゃないわよ?」








・・・・・・ハァ・・・・・・。




まさかこんなことになるとは。






今までの、遊びまくりの自分を恨んだ。







これは――駆け引きだ。