―千春side―
「・・・・・・俺らしくねぇ。」
暗い室内の中、俺はソファーに横たわりながら、呟いた。
アイツ・・・石原を送ってから、何時間たったんだろう。
外はもう暗くなっていた。
電気をつけてない室内も、もちろん暗い。
俺は、今までボーっとしていたんだ。
そんで、呟いたのが『俺らしくねぇ』って言葉。
くしゃっと髪をかきあげた。
――そう。
俺らしくねぇんだよ。
1人の女を、ぼんやり思い浮かべてるなんて、さ。
俺は"来る者拒まず、去る者追わず"なのに。
遊びまくってんのに・・・
なんで・・・・・・
「アイツのことが、頭から離れねぇんだよ・・・」
ただの面白い女ってだけだったはずなのに。
『惚れさせてやるよ』
なんで・・・あんなこと言ったんだ?
―――いや。
理由はだいたい解ってる。
解らない方がおかしい。
俺は、たぶん、アイツのことが――――
ブーッブーッブーッ
携帯の振動で、ハッと我にかえった。
すぐさま通話ボタンを押し、
耳にあてた。