広い廊下。


白と黒で統一された室内は、物が全くと言っていいほど無かった。



ヤツを追えば、リビングにあたるであろう部屋についた。


やっぱり、物が少ない。

生活感が感じられないっていうくらいに。



白と黒のアーガイル柄の壁紙。

黒い2人がけのソファー。

白い丸テーブル。

の、上には、テレビとエアコンなどのリモコン。

大きなテレビ。


奥の方には、黒い冷蔵庫と台所があった。



奴はソファーに座り、私に目を向ける。

切れ長の瞳が、妖しく光る。



「・・・・・・こっちに来い。」


奴は、どこか妖艶な微笑を浮かべた。




危険な気がするんだが・・・気のせい、か?






危険だろうがなんだろうか、私には拒否権はない。


だからとりあえず気のせい、ということにして、

奴の隣に腰掛けた。




あ、ふわふわ・・・。


かなり座り心地が良くて、驚いた。




さすがはお坊ちゃん、とか思っていたら。








「そこじゃない。」


奴はそう言った。







・・・・・・は?


そこじゃない、だと?





「じゃあ、どこだよ。」



怪訝に思って聞けば、奴はフッと笑って叩いた。



・・・・・・奴の、膝の上を。