「……うー………あ"ー…」

カリカリと音が聞こえていたのが、いつの間にか唸り声に変わっていた。

構わず狸寝入りしていれば、おい、と肩を揺すられる。

「銀。ぎーん。なァ、起きろって。問題教えてほしいんだけど」

えっ、めんどい。

「ぎーんー!銀くん!銀ちゃん!銀さん!銀様!」

うぜェ。

「銀………真銀ォォ!!起きてェェェ!!」

ゆさゆさゆさゆさ、と高速で揺れる。

堪らず目を開けて佐川を睨んだ。

「ギャーギャーギャーギャーうっせーんだよ!!小学生かお前は!こういう時だけ本名呼びやがって!!問題なんて教科書見りゃわかるだろうが!そのプリントは全部教科書問題だって聞いてなかったのか!?」

「おまっ、狸寝入りしてたのかよ!?」

「仮眠と言え!話を変えるな!!そのちょんまげぶち抜くぞ!!」

「ギャァァ!!怖い!痛い!いや痛くないけどなんか痛い!!つかこれちょんまげじゃねェェェ!!」

「引っこ抜かれてーのか佐川〇便!!」

「俺佐川〇便じゃねェから!!何もお届けしないから!!お願い髪の毛から手を離して!!そしたらお前の崩壊したキャラ直るから!俺がお前のキャラをお届けしてやるからァァァ!!」

チッと舌を打って結ばれた前髪から手を離す。

心なしか佐川の目が涙目になっているのを無視して、佐川の後ろに立った。