「じゃぁね、カナ。
また遊びに来るね」

ほっぺたをピンクに染めたアリサが
そう言って玄関に立つ。

「うん、いつでも来てね」

にっこりと微笑むあたし。


「じゃ、いこっ」

ポパイの言葉にアリサはコクリと頷くと
玄関の外に消えて行った。


ガチャンっとドアが閉まり
あたしはその場に座り込んでしまう。


なんかいっきに力が抜けた、変な脱力感。
頭がぐるぐるしてぼーっとしてしまう。

何コレ・・。変なの・・。


しばらくそのままでいたあたしは
10分くらいしてようやくリビングに戻った。

片付ける気分にもなれない。

あぁ、なんであたし
ポパイに携帯持たせなかったんだろう。
自分の携帯を握りながら思った。


心配だ。
そう、心配。

まるで母親が子供を見送るような
きっとそういう心配をしてるんだあたし。

時計の針を見上げる。
まだ、30分も経ってないのに。