テーブルにそれらを置くと

「あ!ありがとうカナ」

ポパイが珍しくあたしにお礼を言う。
何々?なんかいきなり大人ぶってる?

「わぁっ!おいしそう!
カナの作ったクッキーなんて初めてみたっ」

アリサが冗談交じりに笑った。


あたしも笑顔で、食べてと促す。
なんだかうっすらと
自分の中に沸く違和感を感じながら。



「うんっ!おいしい」
アリサが満面の笑顔で言う

「ありがと。
焼き立てだからなおさらでしょ?」
紅茶を飲みながら答えた。

「アリサは料理とかするの?」
ポパイがクッキーを摘みながら
アリサに話をふる。

「うん!料理は好き。
今度食べに来てね」

「マジ?俺本当に行っちゃうよ?」

「来て来てっ!
ポパイくん来てくれたらすっごい気合入っちゃう。
めちゃくちゃがんばっちゃうから!」

アリサの表情はすっかり乙女。
ポパイも心なしか笑顔が多い。

ていうか
ポパイもいつの間にかアリサを呼び捨てにしてるし。