「あ、いいにおい!」
リビングに入ってアリサが一番に言う。


「うん、クッキー焼いたの!」


「へーっ!もういっちょ前に奥様だねっ」


「まぁねっ!」

誇らしげに言って
あたしはキッチンに入る。

クッキーを盛り付けないと。
アリサのことはポパイに任せたらいいよね。


お客様用のティーカップを出し
紅茶の準備をする。



”きゃははははっ
あはははっ”


リビングから楽しそうな笑い声。
そんなに仲良くなったんだあの二人。


”え、そうなの?
うん、マジ笑うでしょ”


楽しそうなリビングからの声に少し焦りながら
あたしはクッキーと紅茶を運んだ。