ピンポーン


午後になるとドアベルが鳴った。

「いらっしゃい!」

ドアを開けるとアリサが立っている。

背が高くて長い黒髪。
ちょっとハスキーボイスで知的な印象のアリサは
相変わらずかっこいい女性だ。
フランクな中身とのギャップが
これまた彼女の魅力でもある。

「きちゃった。
お邪魔しまーす!」


玄関に入るアリサと同時に
後ろからポパイが来る。


「いらっしゃい、アリサさん」

爽やかな笑顔を惜しげもなく振りまくポパイ。


アリサはあからさまに顔を赤くした。

「あっ!ポパイ君。
本当にここに居たんだねーっ」

照れるアリサはそんな変な事を言う。
むしろポパイがいるから来たんだろうが。

あたしのそんな苦笑いなんて気にすることなく
アリサはいそいそと靴を脱いだ。


「こっちだよ」
ポパイは自ら進んでアリサをリビングに案内した。