ポパイはそういわれると
渋々あたしに向き直った。


「この前、ベランダから抜け出した後
暇だから駅前の方に散歩しに行ったんだよ。
カナはどこにも連れてってくんないし。」


「ハイハイ、それで?」


「流すトコじゃないんだけど・・。
まぁいいや。
んでーいい天気だなーと思って
ベンチに座ってたわけよ。
そしたらそのコがお茶しない?って来たから
一緒にカフェに入った。」

やっぱりナンパ・・。
アリサの事だからそうかなとは思ったけど。

「で、話してたら流れでカナの話になって
そのコが”あら、私その人知ってるかもー”
とかそういえば言ってたな。」


「そんな大事な事なんで報告しないのよーっ!」


「いやぁ、
そのあと結構話が盛り上がっちゃってさ。
すっかり忘れてたわ。」

能天気なポパイの言い草。
勘弁してよっ

「で、どこまで何を話したの?
これから来るから話あわせないとまずいでしょ」

ポパイは首を傾げながら考え始める。

「いや・・イトコとしか言ってないよ。
暇だから昼間はカナんちに居るって言ったけど
本当それだけ」


「・・本当にぃ?」


「本当だよ。
だからそろそろテレビ見せて。」